『精霊の守り人』を見てみました。【感想・レビュー】
[ファンタジー]
放送日 | 2007年4月7日~ | |
話数 | 26話 | |
原作 | 上橋菜穂子 | |
監督 | 神山健治 | |
脚本 | 神山健治ほか | |
出演者 | 安藤麻吹、安達直人、辻谷耕史 | |
制作 | Production I.G | |
主題歌 | SHINE | |
唄 | L'Arc〜en〜Ciel | |
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精霊の守り人は、屈強な傭兵、王とそれに仕える戦士、特殊な術を使う者、この世のものとは言えないモンスターなどが登場するファンタジー作品です。
作品を知らない人がこの情報だけで作風を想像すれば、多くの人が中世ヨーロッパを舞台のベースにしたファンタジー作品を思い浮かべるのではないでしょうか?
しかし、精霊の守り人は日本および東アジアが舞台のベースとなっています。
この手のファンタジーは、中世ヨーロッパが舞台のベースとなることが多く、日本を舞台にしたファンタジー作品は妖怪や霊的なもの(あるいは忍者)に特化するか、歴史的事実と重ね合わせることが多いのが現状です。
しかし当作品は、実在しない日本および東アジア風の世界観がしっかり構築された珍しいファンタジー作品です。
舞台のベースとして1番近いのは、中国の王宮と、日本の江戸時代の町や農村といったところですが、特に町や村で暮らす庶民の描写がとても細かく、
・野外の飯屋で食事をするシーン
・ヘキムームーというお菓子を焼く露天商
・主人公が焼くうなぎの蒲焼
などは秀逸です。
この点は、もはや日本アニメ界のビックネームとなった神山健治監督の素晴らしい感性によるものでしょう。
原作自体がそうなのかはわかりませんが、この作品は正直ストーリーの本筋よりも、町や村で普通に暮らす人々を描いた部分の方が素晴らしいとすら感じます。
また主人公像も独特で、当作品の主人公は一言で言ってしまえば三十路手前のおばさんです。
通常のファンタジー作品の主人公は、10代半ばから後半の少年か、20代前半の青年であることが多いですが、当作品の主人公は年齢どころか性別すら当てはまっていません。
そういった面では、今までのファンタジー作品と違った視線で作品を楽しむことができるかもしれません。
戦闘などの描写もしっかりしているのですが、この作品はそのようなところより、文化や人の生き方などの部分の方に視点を当てて見たほうが楽しいかもしれません。
逆に考えれば子供向きとは言いづらい作品ではありますが、1度見てあまり面白くないと感じても、歳を重ねてから見直すと違った感想を持つかもしれません。
私にとって精霊の守り人は、とても奥が深く、最高レベルのアニメ作品だと思います。
ただ1つとても気になる点、というかとっても気になる点があります。
それは主題歌です。
せっかく古来の日本および東アジアが舞台のベースになっているのに、オープニングのテーマ曲が英語を多用するいかにも現在風の歌詞で、歌っている歌手も『L'Arc〜en〜Ciel』という、まるで作品の世界観と合っていないオープニングテーマ曲なのです。
ストーリーがとても良い分、このオープニングが毎回毎回余計に気になってしまいます。
この点だけは、とても残念だったと思います。
個人的評価 | ||
ストーリー | 88点 | |
世界設定 | 99点 | |
作画 | 97点 | |
音楽 | 45点 | |
総合 | 95点 | |
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