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『おおかみこどもの雨と雪』を見てみました。【感想・レビュー】
[ファンタジー]


公開日2012年7月21日
時間118分
原作細田守
監督細田守
脚本細田守、奥寺佐渡子
出演者宮崎あおい、大沢たかお、菅原文太
制作スタジオ地図
主題歌おかあさんの唄
アン・サリー
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おおかみこどもの雨と雪は、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』を手がけた細田守監督が、自ら原作を書いた期待の作品です。

内容は狼男と人間の間に生まれた子供の成長を描くファンタジー作品でありながら、その子供の母親(主人公)の苦悩や現在社会における日本の諸問題をうまく絡めたリアルな人間描写作品でもあります。
主人公と夫との出会いから始まり、恋、結婚、出産、夫の死、新天地への旅立ち、子供の成長、狼子供としての苦悩、そして子供の巣立ちまでが描かれますが、よく2時間にこんなにも詰め込んだものだと感心します。
しかしこれだけ詰め込んでいながら、その1つ1つが薄っぺらくはなくしっかり見応えがあります。

作画はとても素晴らしく、特に狼子供が山の中を走るシーンは圧巻です。
情景が目に浮かぶような作画と、登場人物の細かな描写は多くの人に感動を与えるはずです。
このようなファンタジーとリアルの両面を描いたアニメはスタジオジブリの得意分野で、専売特許並みの支持を受けていましたが、最近ではジブリ作品と肩を並べるような作品や、場合によっては超えていると思えるような作品もちらほら出始めているように感じます。
もちろん当作品も、そんな作品の1つであることは間違いありません。

しかしこの作品は矛盾がいっぱいです。
狼がなぜ人間姿になるのか?狼と人間の間に子供ができるのか?という設定は物語の根幹なので、あえてツッコミはしないとしても、例えば、
・花の親は結婚に対しなぜ何も言わないのか?(設定では天涯孤独ということらしいが、作中では詳しく言及されていない)
・貴重なはずの狼なのに、なぜ遺体?を簡単に回収してしまうか?
・夫は一体いくら貯金していたのか?
などなど、矛盾を挙げればキリがありません。
このような矛盾点を違和感なく受け入れられるかどうかは意見の分かれどころですが、受け入れられないと感じる人にとってはいちいち気になってしまい、うまく作品に入り込めないかもしれません。
そのため、好き嫌いが分かれる可能性もありますが、それでも近年の日本を代表するアニメ映画であるとは間違いないと言えます。

声は声優ではない俳優ばかりの布陣ですが、思ったほど違和感はなく(良いとは言いませんが)、少なくとも最近のジブリ作品よりかは聞きやすいと思います。
ただ、音楽はまだまだ久石譲の手がけるジブリ作品に分があるように感じます。

最後に余計なことをひとこと言わせてもらえば、日本の狼は絶滅していません。
そもそも、犬と狼の違いは犬の犬種程度の違いしかないので(犬と狼の間の子にしっかりとした繁殖能力がある)、日本犬がいる限りは日本の狼が絶滅したとは言えないのです。

個人的評価
 
ストーリー89点
世界設定95点
作画99点
音楽82点
総合94点
 
 
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タグ:細田守
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